2013年12月24日火曜日

ロケットストーブ(ロケットマスヒーター)の安全対策その2


Chimney fire alarm



秋に煙突を解体清掃した時に煙道火災がものすごく危険なことを実感したので対策を考えました。特に、風が強い時、煙突は負圧が発生して煙突には吸い込む力が働き、いつも以上に燃えて火の粉などをより強く引き込んだりもするようです。そうした時に煙突内に溜まったタールに引火し煙道火災が起きるのではないでしょうか。風の強い日に煙道火災では余計に危険です。それに外の煙突の中で火災が起こっていても、外にいればわかるかもしれませんが部屋の中ではよくわかりません。また、一般的な薪ストーブより煙突の口径が太いロケットマスヒーターは口径が太いため煙突の内部に付着するタールの量も多いため一旦火が付いた場合、より激しく長く燃え続ける様に考えられます。そこで煙道火災が起こった時にアラームが鳴るように考えました。入手しやすいもので作りました。



使うものは防犯用ブザー、サーモスタット、電池ケース、電池、他に配線、はんだごて、ハンダなど。材料代は1000円未満で収まると思います。

防犯用ブザーはダイソーで買ったもので、ボタン電池LR44 3個で作動するものなので (1.5V✕3)電池ケースも3本のもの(単3形でも単4形お好みで)



防犯用ブザーはボタン電池を取り出して、電池ボックス内のプラスとマイナスの端子に配線をハンダ付けして引き出します。

TO-220形の パッケージになっているサーモスタット(温度スイッチ)これは秋月電子通商で買いました。120℃ON85℃に下がるとOFFになります。(120℃以上になって燃え尽きる場合も考えられるが少しは鳴るでしょう)



こんな感じで、防犯用ブザーから引き出した配線と電池ボックスの途中にサーモスタット入れます。実際はサーモスタットは配線を伸ばして外の煙突に取り付けます。



外の煙突にサーモスタットを針金でくくり付けました。サーモスタットの足に配線をハンダ付けして、室内まで引き込みました。取り付ける場所は煙道火災が一番最初に起こりそうな所、普通時温度が120℃以下の所に取り付けます。自分のところは部屋の中で露出している部分は無いので、外に出て1m上がった所に取り付けました。見当がつかない場合は複数のサーモスタットを並列に取り付けても良いかもしれません。また、120℃以上になるところでも適当なスペーサーを入れ事で使えるかもしれません。防水の性能は期待できないのでコーキングで防水性を持たせる必要があると思います。



サーモスタットから室内に引き込んだ配線に電池ケースと防犯用ブザーをつないでブザーのスイッチをONにしておけば、外のサーモスタットが煙道火災によって120℃まで熱せられた時にスイッチが入って防犯ブザーが作動します。

もし、ブザーが鳴った場合は焚口にフタをかけて焚口からの空気の流れを遮断するつもりです。長い薪を入れている場合は完全にはふさげないでしょうが極力ふさげば空気量も減り煙道火災もおさまると思われます。これはロケットマスヒーター(ロケットストーブ)で使いましたが普通の薪ストーブでも使えると思います。

2013年12月23日月曜日

ロケットマスヒーターの暖房能力



今シーズンもロケットマスヒーターは快適に使えています。薪も早めに用意していたので、乾燥の具合もまあまあ良いです。先シーズンより暖かいような気がします。


暖かいとは言ってもどの位なのか客観的にわかるように各処の温度データーを採ってみることにしました。ロケットマスヒーターを設置した部屋は広さ8畳ほどで、古い家なので気密性や断熱性は非常に悪いです。それでもそこそこ暖かくなるので、最近の住宅や気密性や断熱性の良い住宅ならもっと良い結果になるような気がします。arduinoにIC温度センサーを使い4ヶ所の温度のデーターをパソコンに取り込むことにしました。



ロケットマスヒーターのドラム缶の天端も測ってみましたが、100℃以上になるため-20~約1000℃まで測れるK型熱電対温度計になるテスターで測定しました。


上の図がロケットマスヒーターを点火してから一時間までのドラム缶の天端の温度変化です。点火から20分後には天端の温度は250℃にまでなっています。

天端の温度は焚き方や薪の種類などで左右されますが、150~300℃位の間を上下しています。焚き方によっては370℃くらいまで上がる場合もあります。元々、ヒートライザーを長めに作っているのでドラム缶の天端の温度は上がりにくくなっています。調理には向きませんが、お湯を沸かしたり、保温するには充分使えます。部屋の室温が上がってしまえば必要以上に薪を使うのはもったいないので焚き方は薪で調節しています。


上のグラフはロケットマスヒーターを点火してから次に焚くまでの24時間の温度の変化を記録したものです。ロケットマスヒーターを設置した部屋と隣の暖房の無い部屋と外気温の変化です。点火して30分程で室温は30℃まで上がっています。これは主にドラム缶からの放熱と思われます。室温は20~25℃の間で上下しています。薪が燃え終わり焚口にフタをかけた後は下がりはじめ約12℃まで下がってしばらく一定の温度を保っていますが、これは蓄熱ユニットからの放熱のようです。設置してある部屋と何も無い部屋とでは大きな差があります。




次は蓄熱ユニットの温度変化です。焚き始めからの部屋内温度の上がり方が緩やかなのは他の作業をしながらだったので、薪を入れるのが適当だったためです。約5時間ほど焚いて、焚口にフタをしたものです。点火の時点で蓄熱ユニット保温材下温度が54℃ほど、蓄熱ユニット床表面温度が30℃ほどです。これは前の日(18時間前)の蓄熱ユニットに溜まっていた余熱です。蓄熱ユニットは出ている表面が1950㎜✕1050㎜で他の床より90㎜下げて作られています。そこが全体暖かくなります。床表面温度は蓄熱ユニットの上に布を敷いていてその上の温度です。保温材下温度と言うのは布の上に座布団が敷いてあり、布と座布団の間の温度です。座布団が保温材となり熱が逃げません。保温材下温度が最大72℃くらい、床表面温度は48℃くらいでしょうか。

もちろん焚き方次第で多少、温度は上下すると思います。70℃50℃とかだと熱すぎるような感じですが、実際は体に伝わる熱は心地よいです。座っていても寝転んでいても、とても暖かいです。朝とかは余熱が充分残っているので蓄熱ユニットの上にいればロケットマスヒーターは焚かなくても暖かいです。もちろん蓄熱ユニットは軽量ブロックで完全に区画されていて低温発火は起こらないように作りました。




最後が種芋保存用の芋室の温度変化です。蓄熱ユニットの外側に作ったものですが、この前は芋室が隙間だらけで温度が下がる場合があったので断熱材で隙間を補修しました。15~20℃の間でそこそこ安定しているようです。

自分が作ったタイプのロケットマスヒーターはグラフを見てもらえばわかるようにドラム缶からの放熱があるので点火してから部屋の中がわりと早く暖まります。それからジワジワ蓄熱ユニットから熱が出てくる感じです。またこの地方では冬は一日中寒く、(各グラフの外気温を見てもらえばわかるように)ほとんど曇り、雪、曇りで太陽が出で直射日光で住宅の中の温度が上がることはなく、また外の気温が上がることは春までほとんどありません。ですから温度の調節は細かくする必要もなく蓄熱ユニットから時間差で熱が出てきても問題ありません。